今回は神明都電車庫跡公園に保存されている、東京都交通局 乙2・6063号を。
(2023年5月中旬訪問)
神明都電車庫跡公園 東京都交通局乙2・6063号
東京都交通局 乙2号
公園の改修に合わせて新車のように修復された、木造二軸車の乙2。
2019年夏ごろに訪問した際には、露天での保存だった関係で今にも崩れそうなくらいにボロボロだったが、今回の修復では「現役で動くのでは」という位にきちんと修復されている。
乙2号の運転台部分。
製造こそ1941年であるが、明治・大正期の路面電車から台車や機器を引き継いでいる、ということもあり実に古典的な作りになっていることに感心する。
修復前は乙2の荷台に乗せられていたトロリーが、修復の際に元通りの位置になっている。
アルモデルの「とても簡単な」シリーズのラインナップに入っていそうなモデルが、今でも残っていることに対する驚きと、解体寸前の雰囲気さえあった車両を長年にわたって修復した文京区の「ある種の強さ」を感じた次第。
東京都交通局 6063号
こちらも乙2同様に新車のように修復された、東京都交通局6063号。
1970年代の都電末期の姿が再現されており、検査表記は『52年 』となっている。
また、車体の脇に掲示されていたラミネートによると「毎月第二水曜日と第四日曜日の9:00から17:00まで6063号のみ車内公開を行う」とのことで、近隣の方は行ってみてはどうか。
都電時代末期の標語だろうか『たがいにつめあいゆずりあい(小学生入選 作)』というサボが刺さっている。
少なくとも、昨今の情勢でマスクを外した人が近くにいて「つめあい」になると、少々ムッとする…のとはまた別問題だろうが、70年代の小学生が作った標語に「ある種の時代性」を感じる。
それこそ、某鉄道ネタが多い極まったエンスー向け雑誌((最晩年の私有貨車のほうの吉岡氏が同誌に寄稿していた記憶が))の『変人募集中』ステッカー…の元ネタのような雰囲気を醸し出している『お先にどうぞ ありがとう』なんてステッカー((おそらくはレプリカ品か))が貼られている。
アクセス
JR田端駅・駒込駅から、それぞれ徒歩で15分圏内で到着。
Googleマップ頼りに歩くと「結構迷う」位置にあるので要注意。
JR田端駅からひたすら坂道を歩いているうちに、かなり迷った次第…。
おまけ
公園内の遊具も『こどもの駅』と称して、6063号と乙2に合わせた形になっている。