前回記事
装備展示デモンストレーション編
武器学校構内の各種屋外展示を見る
今回は武器学校の各種展示を見ていくことに。
屋外展示編
10式戦車(試作車)。
2010年代初頭の一般公開時にはギャラリーを集める存在だったが、現在は米軍供与車両から現在までの歴代陸自車両が並ぶ屋外展示エリアの一角で静かにたたずんでいる。
量産車との差異は細かく見ていけば分かるのだろうが…。
今では全国でおなじみとなった16式機動戦闘車(試作車)も展示されていた。
16式機動戦闘車を間近で見られるのは土浦駐屯地(武器学校)以外では、朝霞駐屯地隣接の陸自広報センター(りっくんランド)のAH-1Sと一緒のスペースにある展示車両くらいだろうか?
朝霞の広報センター、そろそろ行くべきか?
16式機動戦闘車(試作車)の側面。
このサイズの車体に105mm戦車砲と予備弾薬、操縦者4人分のスペースなどをどう確保させるか(それも緊急時にはC-2輸送機でも運べる大きさにという前提で)、設計担当者などの開発者が市ヶ谷方面からの予算や納期等で無理を言われながらも、時には血尿を出しながら考えたのだろうか? と思うと…。
旧軍時代製造の八九式中戦車と三式中戦車。
八九式中戦車は2010年代にはイベント用に動態保存されていたのであるが、現在は部品が枯渇したのか産業文化財保存の観点かは不明だが静態保存に切り替わっている。
独ソ戦時代のソ連製の76mm対戦車砲、ZiS-3。
朝鮮戦争での戦場鹵獲品が現在まで展示されている、という話であるが、日本でソ連製の火砲を見れる貴重な場所としては唯一かもしれない。
(韓国では三角地の戦争記念館などでカチューシャなどのソ連製火砲を見ることができるが…)
広報資料館にて
広報資料館もいつの間にやら銃器展示も増えていた。
特に昨今の各種メディアでおなじみのHK416A5やSCAR-Lのような銃器が20式小銃開発にあたって参考になったのか、モダンなものも加わった。
20式小銃開発にあたって参考品として輸入されたHK416A5とSCAR-Lが展示されていた。
御徒町にあるシカゴ以外では普段は間近に見ることのできないモダンな現代銃器ということもあり注目している人が多かった。
HK416A5のアッパーレシーバーとスコープ。
AR-15系列の基本であるダイレクトガス方式「ではない」ガスピストン方式ARのアッパーレシーバーというのは初めて見たのであるが…なんだかんだでAR-15系列に関してはガスピストンは主流にはなれないパターンが多い。
やはりAR-15はダイレクトガス方式に最適化された構造なんだろうか。
それはそうとして、HK416も例に漏れずクローンモデル(JW1に出てきた10.5インチモデルのCA415をはじめ)が多数出ているが、中にはノリンコ扱いクローンモデルもあるようで…。
なお、同じスペースに展示されていたFN製 SCAR-Lも撮影したのであるが…持参したレンズがG VARIO 12-60mmだったので「屋内展示撮影用に明るいレンズ(M.Zuiko 12-40mm F2.8)の必要性」を感じたのであった。
実物を見て以降、WE-Tech製SCAR-L V3が気になってしまった…。
特殊部隊向けPDWとしておなじみのFN P90も展示されていた。
あくまで「試験目的で導入された銃器」ということであったが、こんなに間近にP90を見る機会はないので「実銃のP90はポリマー部の処理はこうなっているのか」と感じるものがあった。
なお、同様のPDWであるH&K MP7A1は守秘義務だらけの陸自特殊作戦群向けに採用されているのであるが、多分10年~20年後あたりにならないと土浦の広報資料館で展示されないのかもしれない。
その他、対人狙撃銃(レミントンM24)の展示もあった。
通常こそ少し艶がかった黒いストックであることが多いが、この展示品は部隊での使用にあたって迷彩塗装されたものとのことで、実部隊での銃器の迷彩はこうやるのかという参考にはなった。
以前から展示されている、イギリス製 STEN MK.Ⅱの展示。
金属の防錆処理をいかにプラ素材(ABS樹脂)のエアソフトの塗装でどう再現するかがエアソフトではキモだよなぁ、ということを改めて思い知らせれる。
なお、その後は
なお、今回の記念行事の後に「(いろいろあって)大切な用事」があったので泣く泣く離脱したのであるが、離脱した後で部隊に配備されている20式小銃や2024年で退役する三菱ジープの展示が屋内ブースであったそうで
何で万難を排して屋内展示を見ることができなかったのか
と悔やむしかなかったのである。
とはいえ、展示とおカネとどっちが大切さ、という意味では「(当たり前ではあるが)おカネ」と答える以外にはない現状では「自分の情けなさ」ばかりが浮かんでしまうのである。嗚呼、履歴書に書けるような職があれば…。